「似た価値観の人間といるとラクだってよく聞くけど。価値観の異なる人間と付き合えば見えてくるものがある」
世界の違いすぎるカイくんと出会い、たくさんのものを見てきた。
「……あなたといると。思い知ります」
「僕に捨てられたくないって?」
「っ、いかに自分の世界が小さいかってことをです」
「見せられてこなかったなら。自分から見ようとすればいいよ」
「……自分から」
「ねえ。そよちゃん」
カイくんの顔が、近づいてくる。
「なにか。思い出さないかい」
「なにか、とは」
「なんでも」
それは、小西さんのことですか?
それとも――……
「たとえば。失っていた記憶、とか」
「……え」


