わたし

なにもできなかった、と思ってた。


つぐみちゃんのために。


なにかしてあげたいだとか

守りたいなんて、気持ちだけで


結局土屋さんみたいな特技も力も

カイくんみたいな残酷な優しさなくて


すごく弱くて、中途半端で


正直なところ

自分がここにいる意味がわからなくなっていた。


けれど


「そよ"お姉ちゃん"って。……照れるね」

「どっかの小生意気な少年には呼び捨てにされてんもんな」

「あ、そうだ。ショウくんも誘いましょう。遊園地」

「アイツ来るかァ?」

「呼べば来るんじゃないですかね。カイくんは来ないでしょうね。となると、つぐみちゃんと土屋さんとショウくんと……」

「つーか。俺は行くなんて言ってねえぞ」

「お弁当たのしみにしてます」

「……弁当くらいなら作ってやってもいいが」

「土屋さんも来るんです!」

「お守りはごめんだ」