「懐かしいな。お前らがヘンな男に絡まれてたときのことだろ」


土屋さんの声で、つぐみちゃんの言葉のほんとの意味に気づく。


「あ、ああ。ながらスマホの不良さんに逆ギレされたときのことなら。助けたのは、わたしじゃなくて土屋さんだから。わたしがお礼言ってもらうのは……なんか……」

「そよが飛び込んでったことが。つぐみは、嬉しかったんじゃねーのか」


――――!


「そんなちっこいカラダで。自分よりずっと大きな相手に立ち向かったんだよねえ。そよちゃんは」


土屋さんとカイくんの言葉が

タブレットにリアルタイムに表示される。

音声入力によるものだ。


それを見て

つぐみちゃんが、笑顔で頷く。


「キミの勇気が――つぐみの心を溶かしたんだ」