「――お前の携帯とお揃いのヒビ。お前自身にも入れてやろーか」
振り返ると、そこには
「……なんだ。テメェ」
「お前こそ誰だ」
土屋さんが、いた。
いつもの可愛いエプロンを脱いでいて
代わりにナイロンのジャケットを着ている。
…………すごく目立つ。
「うちのチビどもに文句あんのか。ああ?」
けっして大きくはない低音ボイスに
不良が自転車を持ったまま後ずさりする。
「な、なんでもねーよ。クソが」
土屋さんに恐れをなした男が一目散に逃げ去って行く。
「なんだアイツ。もう暗くなってきてんだ。ちゃんとライトつけろや」
気にするとこ、そこですか。
「あの。ありがとうございます、土屋さん」
「なにヘンなのに絡まれてやがるんだよ」


