「わたし。つぐみちゃんを救いたいです」
あの子のキラキラした瞳が、見たい。
「一つ。キミに伝えておくことを思いだした」
「なんですか」
「つぐみちゃんから音を奪ったのは。誰か」
妙な胸騒ぎが、した。
「奪った……?」
わたしは、思い込んでいた。
少女は産まれながらにして耳が聞こえにくいのだと。
そんなこと
カイくんは、ひとことも言っていないのに。
「彼女の母親だよ」
――――!?
「つぐみちゃんは。子供の頃に顔や頭を殴られている。そのときに鼓膜が破れたのが原因で聴力が極端に弱まった――ということは。当事彼女を担当した医師の証言で明らかになってる」
「……ちょっと。理解が。追いつきません」
「つまり。彼女は虐待されていた。というよりは。今もされているんだよ」


