「すべて……? それってすごい量になるんじゃ」
「まあね。ブログが開設されたのは、あの子が産まれた頃だから。10年分」
「有料の記事もですか?」
「もちろん」
「……骨が折れそうな作業です」
それでも、そうする必要があったということですよね。
つぐみちゃんを救うために。
怪物を、狩るために。
「僕、速読スキルあるから。余裕」
いいな。
わたし、読むの遅いから羨ましい。
「つぐが、転んだ。階段で足をうった。そんな記事がいくつもあった」
「……つぐみちゃんは、うっかりした子。ということでしょうか」
「耳が聞こえにくいから、感覚が鈍ることはあるかもしれないね。だけど。聞こえないからこそ、研ぎ澄まされることもあるんじゃないかな。キミはこの1ヶ月、つぐみちゃんを見ていて彼女が『ドジっ子』だと感じたかい」


