「勉強したことは覚えてるって言ってるじゃないですか」 「そうは見えないけどなあ」 イジワルに笑うカイくん。 うん、よく見る顔だ。 こんな表情でさえ……美しいのは、罪。 ふと、視界のすみで 土屋さんの包丁を握る手が止まっていることに気づいた。 「土屋さん。どうかしたんですか?」 「……あ? いや」 「?」 料理は大胆かつスピーディー。ときに繊細に……がモットーなママらしくない。