…………ウソでもいいかもしれない。
「どう？ 変わらなくていいって思えたんじゃない？」
うぅ……。
「キミは僕から可愛がってもらえていたら。それでよくない？」
「え？」
「かわいい、すきだ、信じてる――そういう言葉をこの世のすべての人から受け取りたいなんて無理だ。だって。それらは主観的なものだから。誰からも好かれるのが無理なのと一緒」
「……はあ」
「だから僕が。キミのおバカでグズなとこ、ひっくるめて好きだって言ってあげる。その胸もね」
「…………っ」
「僕が欲しいのは、完璧な女の子でも。理想の女の子でもない。キミなんだ」
「も、もう……やめてください」
「ほらね。コンプレックスなんて。あっさりチャームポイントになるでしょ」
