「……幸せって。わかりそうで奥が深いんですね」
「体験を重ねることで楽しさや嬉しさ、夢中になれることを学んでくわけだけど。最低限度の生活が送れない子たちや、親からの片寄った期待を背負ってる子たちには。社会性どころか"幸せ"という感覚は覚えらんないかもね」
だったらわたしは
ショウくんと、これからも色んな体験を積み重ねていかなくちゃ。
「でも。体験……って。どんなのがいいんでしょう」
「なんだっていいさ」
「なんでも。いいんですか……?」
「丸一日かけてレジャーを楽しむまでいかなくとも、たとえば一緒に料理作ったり散歩したり、掃除したり。忙しい毎日の中で『すっきりできた』『役に立てた』という体験を重ねる。『家族で幸せと思える時間』を作る。幸福な子供時代を過ごせる社会を目指すことが必要なんだって」


