「別に。……怒ってないです、けど」
「けど~?」
ひとつだけ、引っかかっていることがある。
わたしが気にすることじゃないのに
ふとしたときに思い出して考えては、モヤモヤしちゃうことが。
「……アンナさん」
「アンナがどうかしたの」
「え……と」
「なんなの。ハッキリ言いなよ」
「……すごく深い関係ですよね?」
「そうだなー。イロイロしてやったからなあ」
いろいろ!!
「む、胸……とか」
「そうそう。見た?」
「え?」
「触った?」
いやいやいや!
触るわけないじゃないですか。
いくら女同士でも。
「あれが世の女子の理想のバストらしいよ。僕には到底理解できないけど」
「み……見たことあるん、ですか」
「めっちゃ見せてくるよね。慰謝料請求しようかな」
えぇっ!?
「古い知り合いなんだ。ちょうどアンナがそよちゃんくらいの頃かな。告白されて」


