「あの子のこと。好きになっちゃった?」
「え?」
「母性本能くすぐられる? 笑えばかわいい顔してんもんねえ」
「……そりゃあ、好きですよ。ショウくんのこと」
「僕の子供時代も。負けないくらいかわいかったなあ」
カイくんってどんな子供だったんだろう。
まったく想像できない。
当たり前だけど
どんな大人も、昔は子供だったんだよね。
「ところでカイくんって何歳ですか」
「永遠の14才」
「14才は……きつ……」
「なんか言った?」
「い、いえ」
ちっちゃなカイくんは
ショウくんによく似ていそう。
「わかってる? 僕がいたから、まとまったんだよ」
「……はい」
「キミ。突っ走ったねえ」
返す言葉もない。
あのときカイくんが来てくれなかったら、どうなっていたか。
カイくんは魔法みたいに
少年の迷いも不安も消してしまった。
「結果。少年を救った」
…………え?
「僕らが。ショウを助けた」


