元より母親以外に身寄りもなく孤独だったタクミくんを見つけ出して欲しいという人は、誰一人として現れなかった。
『この国の年間あたりの行方不明者数、知ってる? タクミくんは。数万人のうちの一人になった』
こうして
タクミくんは、世間から消えてしまった。
『アパートの大家は少年の近くにいながら見てみぬフリをしていた。他の住人だって同罪さ。この程度の罰で済んでよかったね』
タクミくんのお母さんと一緒に発見された知人男性は、発見時に亡くなっていた。
『ショウのカラダには、複数のアザや火傷のあとがあった。母親の連れてきた男から暴力を受けてたんだ』
ひょっとして彼は
酒を大量に飲ませられ、事故にみせかけて殺されたのだろうか。
……組織のメンバーの誰かに。


