タクミくんは、お母さんから逃れられないと言った。
どんなに苦しい思いをしても
欲しくなかったとまで言われても
結局、親子でいる道を選んできた。
誰にも助けを求めなかった。
本当は、ずっと、甘えたかった。
……お母さんに。
「返事してよ。タクミくん」
決められないよね。
そんな大きな決断
すぐには――……
「誰ですかそれ」
――――!
「ボクは。……オレの名は。ショウです」
タクミくんの返事に
カイくんが、片方の口角をキュッとあげる。
「オーケー。そんじゃ。あとは、こっちで用意したげる」
「これでオレは大人になるまで生活に困ることはないと」
「困るどころか。うんと贅沢させてあげられる」
「見返りは?」
「イラナイって言えば。逆に胡散臭いと思わないかい」
「オレですか」
「気持ちわるいくらい理解力あるよね。それでこそ投資する価値がありそうだ」


