「貧乏で。親から愛情注がれずに。ひどく粗末な扱い受けてきたのに、キミはそこらの子供たちよりもよほど優秀で。勇気があって。才能に満ち溢れている」
相変わらず言葉選びが直球で
タクミくんの傷つくことを平気で言ってのけるカイくんだけど
「キミ。本当に頑張ったんだねえ」
きっと、これが
タクミくんのいちばん欲しい言葉。
助けてあげるとか
頑張ってとか
生きて欲しいとか
死ぬなっていうよりも
タクミくんは
「えらいえらい」
褒めてもらいたいんだ。
誰かに、甘やかされたい。
強がっていてもまだ12歳なんだ。
「……あなたに褒められても。嬉しくもなんともないです」
――――ウソ
「ちょっと。やめてください。なんなんですか……髪が」
タクミくんの頭を撫でる、カイくん。
「へんなのー。これから殺される人間が。ヘアが乱れたとか気にするわけ。ははっ」
「触らないでください」
きっと、落ちた。
「キミを。輝かせてあげる」
「……ボクを」
タクミくんはカイくんに、落ちた。


