――――"僕のそよちゃん"
僕のペット、でなく。
僕の……そよちゃん。
そのちがいに
深い意味なんてないだろうけれど
不覚にも、ドキリとしてしまいました。
カウンターの椅子から立ち上がったとき、
扉の開いた音が、聞こえてきた。
扉には鈴がついていて、お客さんが来たら気づくことができるのだ。
あれ。
そういえばカイくんが戻ってきたとき、音したかなあ。
「……やってますか?」
入ってきたのは男の子。
黒いランドセルを背負っている。小学生だ。
「やってるよ」
カイくんが返事した。
よく考えたら、初対面の子供にとって
土屋さんってけっこう怖いんじゃ……?
「あの。ボク。初めてなんですけど」
「なにが喰いてえ」
土屋さんが、問いかける。
「……カレー」
「よし。座れ」
なんだ。
全然、大丈夫そう。


