自分が関わった人が
ひどい仕打ちを受けていくのを知って
一時的なショックは受けても
こうして、すんなり日常に戻ることができている。
それって
わたしが、フツウじゃないってことだと……思う。
「土屋だ」
「え?」
「ママじゃねえよ。土星の土に。屋根の屋」
「土屋……さん。て。ママの本名、ですか?」
そんなわけないか。
「本名に決まってんだろ」
「ええっ」
「俺はカイみたいにヒミツ主義じゃねえからな。身分だって明かせるぞ。今はここで働きながら通信制の高校に通ってる」
高校生だったの……!?
「なんだその顔は。学生じゃ、わりいか」
「意外と年、近かったんですね」
「老けてて悪かったな」
「……っ、土屋さんは。どうしてここで働いてるんですか」
さすがにそれは話せないかな。わたしには。
「拾ってくれたヤツがいんだ。どうしようもねえ、俺を」
「……え?」
「そいつの名は。言えねえがな」
もしかして
カイくんが言っていた――"あの男"?


