「驚かせちゃった?」
わたしのすぐ隣まで歩み寄ってきた男が、
耳元で囁く。
「言ったでしょ。“ずっと視てた”って」
…………!?
「知ってるよ。僕は。キミが、どんな女の子か」
――――いつから
「キミが苦しんでいる理由も」
いつから
どこから
わたしのことを……
「キミを苦しめている相手のことも。ぜーんぶ」
誰なの。この男は。
「仲良くしよーよ」
味方なのか
それとも、敵なのか。
思考が完全に停止する。
なにも考えられない。
「怖がらなくて。いいんだよ」
まっしろになった頭で
わたしをまっすぐ見つめる男を見つめ返すと
男は、奇妙なほど美しく微笑んだ。
「さあ。【狩り】の始まりだ」


