「そしたら今度は男としてもっかい告る。そん時お前は誰と付き合ってようと俺を選べよ。」
「はぁ?!もっかいって・・確かあたし振ったよな?」
「結婚するって約束しただろ?もう兄貴じゃねぇからお前の気持ちとか優先しねぇから。」
「兄貴の時だってあたしの気持ち優先されてねーよーな気ぃするけどな!!」
「まぁ結婚するまでは、俺が夢を叶えるまでは、俺のものじゃねぇし、お前がどんな男と付き合ってもいいぜ。」
「おい、なんか勝手に色々決めてねーか・・?!」
勝手にテンポよく進まれる会話に未茉はひきつってると、健はふっと笑った後、
「それと、“健兄”ってもう呼ぶな。」
「兄貴じゃねーって言われても今更呼び方…」
「健って呼べ。」
「健。」
「よくできました。」
頭を撫でられると、いつもはきりっとした目をくしゃっとさせて嬉しそうに笑う健を未茉は初めて見上げたような気がした。
いつもなんでも器用に計算通りに進めてるような人が、こんなことで嬉しく笑ってくれるんだと思うと、未茉は嬉しかった。
「え、成瀬さん別部屋で寝るの?」
部活から戻ってきた成瀬に未茉は訪ねると、
「はい。相部屋ひとつ空いてるのでそこで。未茉さんは、ぼっ…僕のベッドでよかったら使ってください。」
シーツを新調し、埃ひとつないか念入りに調べて綺麗にベッドメイキングし始める。
「あたし健兄と一緒のベッドで寝るから成瀬さんここで寝て大丈夫だよ!」
「は?お前男になった俺と同じベッドで眠るならそれ相当の覚悟しろよ。」
もう兄貴じゃないと豪語する健の強気な姿勢に未茉は「げっ・・」と嫌な顔をする。



