「健ももうすぐ帰ってくるはずなので待ってて下さい。」
トランプで遊んでくれた成瀬だったが再び部活の時間になり、部屋を出ていってしまった。

「はぁ~つまんないなぁ~~」
ボリボリと成瀬がくれたお菓子を食べながら横になるも、飽きてしまった。

「なんか面白いもんないかなぁ♪」
と健の机を見ると、
「なんか綺麗すぎてつまんねぇな。」
ノートや教科書がキチッと並べられ無駄なものも一切ない。
「あ。」
引き出しをあげると、昔未茉があげたバスケットボールの折り紙が出てきた。

「持っててくれたんだぁ!!!」

裏には嵐と和希瑞希と匠とクラブリーグの体育館で並んで撮った写真が貼り付けてあった。

たけるにいだいすき!!
おおきくなったらおよめさんにしろ!!

「あはははっ!!命令かよっ!!」
こんなの書いた覚えはないが、この殴り書きは自分だと笑いが止まらない。

ずっと大事に持ってくれてたんだと思うと嬉しくて仕方なかった。
「健兄はいつからあたしのこと好きだったんだろうな…」

(翔真も…、健兄も、
“生まれた時からずっと好きだった”
…嵐も、ずっとあたしのことを好きでいてくれたんだ。なんも気づかなかったな。)