TIPOFF!! #LOVE WINTER






「ぐがぁぁぁあ~~~~」

ギシッ…とはしごに手をかけて、一段一段ゆっくりと階段を登り、ベッドから顔を覗かせると、

「えっ…!!?」

そこには健の大きなティシャツを着て布団を蹴飛ばして、大きな口を開けよだれをたらし、いびきをかいて寝る女・まさかの未茉の姿に、


「うあぁぁぁああああああああああああああああ!!!!!」


衝撃が走り、大声をあげてはしごから足を滑らせ、どっしーん!!と床に背中から落ちてしまった。

「おい!!成瀬!?」
「どうした!?凄い声したけど」
どんどんっ!と扉を叩かれて、一瞬気を失って倒れていた成瀬はハッと目を冷ます。

「悪い!…ちょっとはしごから足を滑らせて。」
すぐに扉を閉めて廊下に出て心配してくれた両隣の部屋の生徒達に謝る。

「はしごって…そんな悲鳴出すほどの高さじゃねーだろ…」
「ああ。すげー声だったぞ。女でもいたのかと思ったぜ。」

「はっ…はははははっ……せっ…背中から落ちて痛くてさ……」
冗談にもギクッ・・としながら必死に動揺を隠すも、
「お前のベッド下だろ?」
「あ…いやまっ…間違えて……」
「あはは。らしくねぇな。気をつけろよ。」
そう言いながらみんな部屋に戻っていったので、ホッ…と部屋に入る。

「よかった・・・」
とりあえずなんとか誤魔化せた。と、床に手をつき、とんでもない早さの動悸と汗を拭うと、



「何が?」


未茉はベッドから下に顔を覗かせ、けろっとした顔で成瀬を見る。

「○☆§#◎○◆!!?」

バンッ!!!と思わず後退りすると、驚きのあまり扉に勢いよくぶつかり、本日三度目の負傷を余儀なくされ、

「うぁあ…」と思わず声を出しそうになったが自分の口を手でふさいだ。