深い眠りについたのを確認して布団をかけて、下に降りて机に向かい停学中の課題プリントを広げこなしてくと、

「ただいま。」
「おう。おかえり」

しばらくすると、部屋の扉が開きそこへ同部屋の成瀬が帰ってきた。
「なんだ。今日はこっちか。」
「ああ。こっちにしといた。」
「??しといた??」
意味深な言い回しに首をかしげると、

「ぐがぁぁあ~~~~………」

「!!?」
明らかに二段ベッドの上からは、人のいびきのような声が聞こえてくる。
思わず成瀬は黙々と課題をこなす健の姿を確認する。

「え…誰かいるのか?」
二段ベッドの上を見上げながら尋ねる。
「いや、いないぜ。」
「え、でも…」

「ぐがぁぁあーー」
明らかに自分の空耳ではない人のいびきのような声が聞こえてくる・・・。

「健・・・」
顔色ひとつ変えずに課題をこなす健に、頭を抱えながらもう一度、改めて尋ねる。

「誰かいるよな?」
「いや、いない。」

「・・・・。」