「大好き!」
ぎゅっと華奢な手で力一杯抱きつかれ、屈託のない笑顔をすりよせられ、健はこの甘えん坊の世話やかせ妹のこんな仕草が可愛くて、ずっと自分だけにこう向けられると思っていた。
(…むしろ、ずっとこのままでよかったんだよな。)
「ダメダメ!!寝るまで手繋いでてくれ。」
「ああ。」
互いの親達もみんな留守がちでみんなで集まって寝る時も、未茉は必ずこうして俺の手を引っ張ってお願いして繋いで寝てた。
嵐には、じとっとした羨ましそうな視線ぶつけられながら。
和希瑞希よりも未茉が一番の甘えん坊だった。
元々ファザコン気味だったが、清二さんは一年のほとんど留守だったし、颯希さんが距離をあけてから尚更。
気づくと、匠や俺に対してもたまに離れてくんじゃないかって不安そうな顔して見てくる時があった。
俺はその度に大丈夫だよ。ってこうして手を繋いだかもしれない。
「すー…」
握り返したら折れそうな指にしがみつくように絡まれて、安心しきった顔で眠りについてく。
「相変わらず寝るのはぇえな・・お前は。」
電池が切れたみたいにコテンと眠りについた頬を指先で撫でながら、
(一体いつからブレーキかけるのやめたんだろうか。
湊が現れて、俺も焦ったか?
盗られるって反射的に思ったか?
王子で颯希さんを越えるタイトル取るまで待てなかったか。
妙な自問自答を繰り返させる、幼い頃からずっと見ていたこの寝顔は理性を狂わすな。)



