「ん…」

一方、未茉は母親の車に乗り込んで爆睡して目を覚まし窓の外を覗くと視界にはもう東京の景色が広がってきてる。

「ママごめん。疲れてるのに空港からトンボ帰りさせちゃって。」
「いーわよぉ。どっちにしてもママは、今日夜には帰るつもりだったから。」
「え?そうなの?」
「そーよぉ。明日手術じゃない。」


・・・手術・・・

一瞬目をぱちくりさせて考えたのち、


「あ!そっかやべぇ!!すっかり忘れてた!!和希の手術かっ!!!」
「ちょうどいいわ。未茉ちゃんも内科で薬もらいなさい。」
「やだよ!寝てれば治るし!!」

「はぁ~~しかし。国体見たかったわぁ。翔真君や匠君の試合も、嵐君の試合もぉ~~~。」
「おい・・・娘のあたしの試合見ろよ・・・。」
「しかし、健君が試合に出れなかったのが悲しいわねぇ。」←全く娘の話聞いてない。
警察を殴るなんてそんな突発的な行動するような子じゃないのにぃ。と詳しい経緯をしらない母親はそう言ったが、

「……ああ。後で謝らないと。」

初戦敗退なんてどの面さげて会えばいいんだと憂鬱になってると、
「未茉ちゃん文化祭で大変な目にあったってパパがもぉ怒っちゃって怒っちゃって、本当はパパの方が帰りたがってたのよぉ。」
「ん、ああ。」
「知らない人にはついていかないでっていつも言ってるじゃない。」

「たいしたことねぇーよ。なぁ、それより、ママは神崎監督がアイツの婚約者だって知ってたのか!?」

「もちろん知ってたわよ♡もう何回か一緒に食事もしてるし。ふふっ。とぉーっても美人で素敵な人よねぇ。ママああいう娘が欲しかったのよぉ。」

「おい・・。さりげなくあたしをディスんなよな・・・。」