「でも兄弟の一番の亀裂を余儀なくする出来事が起こった。未茉と和希と健で道に捨てられてた子犬を拾ってきて飼ってたんだよ。」
“コイツも今はチビだけど大きくなったら世界征服の一員としてダンクを決めるようになるからな!名前はダンクだ!!!”
“おーダンクか!!よしよし”
「未茉が名付けてみんなで自主練の度に外へ連れてったりとにかく可愛がってて、ダンクが家にやってきて数ヶ月たった頃、颯希さんが王子学院に入学して寮から初めて帰ってきた日、
“ウゥッ…ワァンワン!!!”
勢いよくダンクに吠えられて足を噛みつかれたらしい。
それに頭きた颯希さんがその犬を未茉達がいない留守にどこかに捨ててきたんだ。」
「え…?!」
聞いていた翔真も思わず耳を疑う程の歪みきった性格に声を上げた。
「泣き狂った和希と未茉と俺らでずっと探したよ。保健所にも通ったしさ。今でもたまに遠くまでジョギング行ってダンク探すくらい。」
「今でもって…見つかってないんですか…?」
「清二さんにも激怒されたけど、捨ててきたの一点張りで、もうそこから和希も未茉も颯希さんを兄貴だとは思ってない。もうこれが覆水盆に返らずだな。」
逆恨みとは言え、血の通った人間のすることとは思えなかった。



