「お前は自分のことしか考えてねーじゃねーかよ!!!アイツは、ばっかみてぇーにお前のことしか考えてねーのによ!!!」

不破のその言葉はどうしようもないくらいの事実だった。
事実すぎて、言葉を失った。

頭では分かっていたけど、ちゃんと分かってなかったんだと思う。
だから昨日平気であんな言葉を投げられたんだと思う。


“もうあたしのこと忘れて”

“じゃ俺の気持ちは?”
“俺の気持ち勝手に決めんな”

酷いことばっかりぶつけて、
あたし翔真のこと傷つけてばかりなのによ……



“いつになるか分からないけど、本当にベストカップルになれるように頑張るので、応援してください!!
俺は、未茉ちゃんのことがずっとずっと何があっても大好きだ!!”



あんな風に言ってくれたことを、待ってくれたことを、心底嬉しかった。


「何言ってもあたしのことを好きでいてくれんだよ…バカだよアイツ…」

このままじゃーーダメだ。
このままのあたしじゃダメだ。

涙に濡れた瞼を腕で隠しながら未茉は呟いた。
その思い知った姿を見て不破は睨んだ。


「いいか。アイツはガキの頃からずっと好きだったんだから、責任持ってアイツに捨てられるまで付き合ってやれ。」

「うるせぇ…」

「お前に夢中になるなんてそう長い期間じゃねーんだから、お前ごときがもったいぶるな。すぐ飽きられるにきまってる。そんでその後この俺様々が付き合ってもいいぜ?
またすぐに捨てられるけどなっ!!!」
どっわっーははははっ!!と覗きこみながら笑い出す。

「うっせー死ね。」

「次に会う時までに付き合ってなかったら今度はお前を犯すからな。」

「お前・・・マジ死ねよ。」


(これでまたひとつアイツに大きな借りを作ったな・・・ふっ!!)
ニヤリとしながら、ホテルの前からアリーナへとスキップしながら帰っていく不破なのであった・・・。