「アイツはずっと小学校の頃、お前に勝負に負けてからずっと練習してきたんだよ。」
「ぺっ」と唾を吐き捨てて、少し冷静になった不破は地面にあぐらをかいて座った。
「神の子とか言われてるけど、アイツはただただこの何年もお前よりうまくなりたくて、全国行けばまたお前に会えるって会いたいってずっと誰よりも練習してきたんだ。」
「なんだよそれ、一体いつの話だよ」
「ガキん頃、お前と勝負して負けてからだよ!!お前やっぱり覚えてねーのか!!?」
「覚えてねぇって…愛知の不破、翔真と一緒のチームだった頃にあたし会ったのか?」
「そうだよ!!お前が翔真と会ったのは、お前らが小4年の時、愛知のミニバスの全国大会だろ?」
「…あたしと翔真の出会いが小4?」
覚えのない記憶の糸をゆっくりと辿った。
男子のミニバスの全国大会の準決勝を家族で見に行った未茉は、次の日に嵐が決勝で戦う相手を同じ会場のコートで偵察していた。
“エースはあの不破ってやつだけど、アイツが飛び抜けてうめぇ。俺らと同い年だぜ。”
“あの12番がアシスト王か。”
嵐が指指した先にその男はいた。
“まだ俺と同じ4年のくせに愛知県選抜だし、試合にも出てやがる”
“ふーん!じゃあたしがお前の代わりに小手調べしてきてやるよ!!”
“えっおい…!”
その頃、百戦錬磨の負け知らずの未茉は自分より強いやつと戦いたくてうずうずしていた。
誰かこの自分を負かす、クソッとあの震え出すような感覚のやつが嵐以外の同世代でいないか。と。
走り出していた。
“おい、お前か!あたしと勝負しろ。”
“え…?”
そこには目をぱちくりさせて戸惑う男の子がいた。



