10時からの初っぱなの第一試合が東京男子と愛知男子で、前回準優勝を果たしてる愛知代表ということでアリーナはほぼ満員だった。

開始30分前からコートでは両者のアップが始まった。

「ふっははははっ!!!ようやく…この俺様とマッチアップできるな翔真よ!!!」

楽しみすぎて寝れなかった不破の笑い声がコートには響いた。
「何年ぶりだ!?いや、夏の合宿以来か!?いやいやしっかり試合すんのは中学の総体以来だよな!!?」

が、翔真は黙々とリングにボールを打ち込んでいた。

「え、不破さんてあんな人だったんですか?」
「ああ・・そこにはあまり触れない方がいい。」
意外な一面を見たというか少し引いた顔で早乙女と匠は話していた。

「おいっ!!こら無視すんな!!!聞いてんのか!!おい!!」
相手のコート陣地まで侵入して、翔真を引っ張りあげると、

「はい。」

「……!」

その時に見た翔真の目で不破は今日の試合をすでに見据えていた。