TIPOFF!! #LOVE WINTER





「焦るな。まずこれ決めよう。」
田島が未茉を落ち着かすようにドリブルを始め、ゲームメイクをする。
「おう…」

石井も前半のお返しとばかりになんとか伊藤を交わしてゴールに向かい、シュートファウルを貰った。
「よしっ!!いいぞ石井さん!!」
フリースローを一本目は入れて二本目を外すも、ユリがリバウンドに反応しボールを奪い取る。

「よし!いいぞ!!もう一回落ち着いて!!」
監督の声が響き、
「おっしゃあっ!!」
東京男子代表シートもガッツポーズをし、
「大事に決めろ!!」
田島と未茉の早いパス回しにフリーになったユリが3ポイントを決めた。

「「よっしゃぁあっ!!」」
「「おしっ!!」」
みんながユリにタッチするが、

「はぁはぁ…」思った以上にユリの呼吸は上がっていた。
ジャイコを押さえるのも交わすこともかなりのスタミナを奪われ、尚且つカットインを狙ってると、いつも以上に疲労は溜まる。


「白、タイムアウト。」
神崎は早々にタイムアウトを取った。

「エマと白石も熱くなっているし、ここで一度取るのは正解だな。神崎さんナイス。」
「しかし前園はリバウンドも凄いが、ディフェンスもすげーいいからな。今前園は下げられないな。」
「基本、神崎さんのチームはディフェンスのチームだからな。よくマッチしてるよ」
マイクと匠が東京女子のベンチを見ながら頷いてるが、ユリの疲労困憊がかなり心配になった。


が・・・・、

「白石ぃい!!お前はちょっと来い!!!」
「うぁぁあーん!!いてぇぇぇ!!」
神崎監督に耳を引っ張られながら引きずられベンチの下に正座をさせられ、怒鳴られる。

「あ・・怒られてる。」
よく見慣れた光景に翔真は苦笑いをしてると、
「あれでもまだエマは本気出してないよ。未茉は耐えられるかな。」
まだ涼しい顔してベンチに座るエマを見ながら、ららは心配になった。