「もう…!!白石ってば!!」

そして未茉の後を追って、ぜぇはぁぜぇはぁと息を切らしながら会場にやって来たお目付け役の神崎も到着すると、
「綾乃。」
関係者席からは試合を見ていた兄の颯希の姿があった。

「颯希…!来てたの?」
「嵐に呼ばれてな。」

「そう。妹はアジアで最高の活躍だったよ。」
あえてわざと意地悪に言うと、
「コートであんなんやってる奴が活躍できるとはアジアのレベルは相当低いな。」
素っ気なく答えるも、今までよりはトゲが小さくなったような気がして、神崎は少し微笑むも、

「コートでっ…て・・・?!」

嫌な予感がしたコートを見下ろすと、
「しっ白石ぃぃぃい!!!」
更に真っ青になった神崎の声が響いたのであった・・・。