「未茉!?どないしたんや!!びしょ濡れやないか!!」

全身ずぶ濡れで床に水溜まりを作りながらホテルの部屋に帰ってきた未茉に静香は驚いた。

何も言わずに震えながら静香の肩に抱きつく未茉の手はひんやりと冷えきっていた。
「一体どなんしたん…?」
「うわ、白石どうした!?」
部屋にいた女子が次々とやってきてその姿に驚いてる。

「貧血起こしとるかもしれへん!」
「先生呼んでくる!!」
バタバタと慌ただしい音と心配する女子の声がだんだん遠退いていくと、次に目が覚めたのは、次の日の朝だった。


「白石…目が覚めた?」

一睡もせず付きっきりで看病してくれていたのか、神崎は昨日のジャージ姿のままだった。

どうやら神崎のホテルの個室部屋のベッドに運ばれたようで、気づくと自分の手をぎゅっと握って側でうつ伏せになり寄り添いながら寝てるのは静香だ。

「おお…。あー…ガチ頭いてぇー」
頭痛と全身が重く痛かった。

「少し熱もあるのと貧血かな。少し寝たら食べれるもの食べた方がいい。」
こくん。と頷くと、神崎は申し訳なさそうな沈黙の後に改まった表情を浮かべた。