「マジかすっげぇー人!!!」

ウィンターカップの聖地代々木体育館は外まで長蛇の列を作り、人で溢れ返っていた。
だがそんなのお構い無しに未茉は強行突破をはかり、列を無視し入り口を目指そうとするも、

「ちょっと!!君っ!!入場規制中です!!中へは入れません!」
警備員が未茉の腕を引っ張り中へ入ろうとするのを阻まれる。

「離せよ!!同じ高校の奴が出てんだよ!!応援に来たんだ!!」
「同じ高校?チケットは?」
「チケットは家だよ!!本当は昨日帰国する予定だったから、家に置いてきて」
「一試合入れ替え制でチケットがないと入れませんよ。」
「そんな!!だって同じ学校の部活なんだぜ?!」

大声で警備員と言い争ってると、周りも日本代表のジャージを着た未茉に気づき始め、
「白石さんですよね!?」
「アジア大会見てました!!テレビで応援してました!」
並んでいた客達が一気に押し寄せてくる。

「サイン下さい!」
「写メとってぇ!!」
「ストーリーあげてもいい!?」
「やっぱり嵐君の応援に来たんですかぁー!?」

今や高校バスケ界の顔となってしまった未茉の姿を見るなり物凄い数の人が押し寄せてきて、
「わりぃ、あとにして!!今急いでんだ!!翔真のとこ行かないと!!!」