『ちなみに名古屋第一だぜ。第一試合・・』
「マジかよ!!不破とじゃん!!」
『ああ・・マジきちぃけど、翔真頑張ってるぜ?いつになくな。』
「おう!当たり前だろ。」
『あ、噂をすれば本人来たぜ。代わる!』
「おう!」

プップッ…。とキャッチが入った音が聞こえ、
『もしもし未茉ちゃん!?』
「おぉ、わりぃ翔真!キャッチだ!かけ直す!」

ブチッ。
『え・・・・?』
ツーツーツーツー………………

三週間ぶりに声を聞けたと思った翔真は呆然と立ち尽くす。

「しっ・・翔真・・・」
「気の毒すぎる・・」
そんな彼の哀愁漂う後ろ姿に結城と三上はただただ哀れにしか思えなかった・・・。

『やっと出たかっ!!』
そしてキャッチを切り替えると、ウィンターカップの為、さっき東京についたという嵐からの電話だった。

「おう!なんだ嵐かよ元気か!?」

『・・・なんだ嵐かよ。は余計だろうが。』
「あはははっわりぃわりぃ!」

『優勝おめでとうだな!やるじゃん。お前。最近すげー調子上がってねぇか?!』
「おう。怪我明けてから、リハビリも良かったのか絶好調でよぉ。ウィンターカップも優勝狙ってるぜ。」
『そっか!そしたら一緒の表彰台にたてるな!?』
ウキウキと凄い嬉しそうな声で話す嵐に、

「いーや!わりぃけど表彰台は男女共に明徳が立たせてもらうぜ?」

『あ?無理に決まってるだろーが。弱小チームが。今回はまぐれの出場に決まってるだろ。』
「ばーか!何がまぐれだよ。翔真と約束したんだ!!明徳男女共に東京のてっぺん目指すってな!」

『ぬぁあああにぃぃ!?』
ふざけた約束しやがってと、わなわなと怒りと込み上げる嵐は、
『無理に決まってんだろ!?どうせ一回戦敗退に決まってるんだからなぁぁああああああ!!!!』

「うっせ。」
耳元で大絶叫されて、そのままプチっと電話を切ったのであった・・・。