各都道府県の王者が出揃うウィンターカップ決勝トーナメントは毎年代々木体育館にてクリスマスに行われる。
東京予選を勝ち抜き、すぐにその間のUー18のアジア大会の決勝トーナメントへの参加と合宿のため、約三週間の間再び日本を離れ韓国へ向かうこととなる。


「あー疲れたぁああ!!誰だよこんなハードスケジュール組んだ奴はよぉ!!!」

決戦の翌日にも関わらず早朝七時の成田空港では、げっそりと疲れはてたU18日本代表東京組と未茉が待合ソファーで大の字で寝そべる。


「本当だよ・・・。こんな過密スケジュールにするとかありえないし、当分白石の顔なんか見たくないし。邪魔だ!寝るな」

「いってぇ!!」

目の前で通路を塞いで寝る未茉を足で蹴る田島は、三連覇を逃してしまった翌日に能天気な彼女の顔なんか見たくもなく、八つ当たりをし始める。

「まぁまぁ田島さん。韓国着いたら向こうでパァーと羽でも伸ばしまへん?!うち今度垢擦り行こうと思うてるんですわ。」

「はぁ?」
こちらも能天気に応える静香に睨むと、
「私も行こうかなぁ。垢擦り。」
疲れが溜まってるのか燃え尽きた症候群に陥ってる石井も便乗すると、

「ほらほら!!出国手続き終わったから荷物検査行くわよ!!」
手続きを済ましてきた引率の神崎が急ぎ足で四人の元へと戻ってくる。

「うぇーだるいー」
「神崎さぁんうち腹へったで。朝早すぎて何も食うてへんし。」
「中に入ればフードコートあるから!!」
「ほんまか?!何あるん?」
「いいから早く行くわよ!!」