「おう!静香わりぃな!お疲れぃ!!」

ばぁーんっ!!と未茉は泣き続ける静香の背中を勢いよく叩くと、
「いたいやろぉ!!!」
「きゃっははははっ!!」
ルンルンと弾むような足取りでスキップしながら、走り逃げていき、
「あ、田島さぁーん!!お疲れっすまた明日ぁあ!!」
田島には両手を振り、あっさりと挨拶を交わして走ってく。

「っとに。アイツは。」
相変わらずな無礼な態度にため息をつきながらも、少し微笑み
「握手ぐらいしろよな。」
どこへやら走ってく未茉を見つめながらも呟いた。


「白石の奴は荷物も片付けずにどこに行ったのよ!!」
一方自分の荷物ベンチに放り投げっぱなしで行方を眩ました未茉に前原は目くじらを立てて怒っていると、

「湊にね、電話するんだって。」
未茉の荷物を代わりに持つ鈴木がそう答えた。

「え」
「勝ったから一番に言いたいんじゃない?」
そんな関係を微笑ましく思うも、

「でも・・今の時間授業中じゃないですか?」

「・・確かに。」

時計を見上げながらマヌケな彼女に引きつる一同であった。