「ぎゃっ…逆転っっつっ!!!」」


「「うぁぁああああっ…」」
すがるようなその得点にベンチは抱き合いながら明徳部員は泣き喜ぶ。
「しっ…心臓が…!!!」
斎藤はふんぞり返って失神寸前。

「よし!」
「よし!」
本当は少しびびっていた前原と矢野は緊張をはね飛ばすため、未茉の背中をバシッと一発ずつ叩き、
「いってえ!!」
「白石っ!!あなたって子は!!」
信じらんない!!と鈴木は抱きつきその頭をくっしゃくっしゃに撫でてあげる。

「みっ未茉様ぁ最高ですぅ…」
村越は感無量涙が止まらず更なる崇拝を深める。

「なんて子だよ…七光りって次元越えてるよあの子…!!」
「ああ…しかもあの状況で絶好調って叫ぶなんてたいした器だよ…」
腰を抜かしそうになる記者達や、とんでもない逆転劇を迎えるのをまざまざと見せつけられてた関係者は言葉を失う。
「歴史が…変わるかもしれない…」

「ああ。きっと変わる。」
神様小倉記者も涙目で頷いた。


「去年まで、区内ベスト8の無名校が…東京ナンバーワン…全国へーー」


ピーーッ!!

「青タイムアウトです!!」
もちろんここで明徳が最後のタイムアウトを取った。

「三人…大成の…東京いや、全国トップの三人を交わして…バンクシュートだと…!?」
大成ベンチに戻った石井も静香もプライドがズタズタに傷ついていた。
「あんなん…エマにだって出来へん…」

だが田島は顔色一つ変えなかった。

「何怖じ気ついてんだ。まだ12秒ある。決めれば勝ちだ!!時間使いきってこれ決めれば逆転!!」
エースでキャプテンのその力強い声に、みんなは顔をあげた。


「二点確実に決める!!」