「新垣交代して村越、行けるか?」
「はい!」
抜群な正確率を誇る村越のシュート力を信じもう一度投入する。
これで少しは向こうのマークが白石と村越でばらけるだろう…という監督の策だった。
「よし。ターンオーバーだけは絶対にしちゃだめだ。うちが全国に行くには、ここを決めるしかない。そして6秒、死ぬ気で守り抜くだけだ。」
押し寄せる緊張と震えが極限の中にも関わらず、力強く言い切る未茉を明徳部員は絶対的信頼を委ねて深く頷いた。
「やるしかねぇ!勝つしかねぇんだ!!行くぜ!!」
この土壇場で緊張も全くなく、コートへ戻ってきた未茉の表情を静香は目にした。
(監督言いおった通り…確かに明徳はトップレベルでの競り勝ち方を知らへんよ…でも未茉は違うで…。絶好調の未茉は中学総体の決勝の時も、一人で流れを変えたんや…。甘く見ちゃいかんのや…)
「真のエースならばここで、一つの時代を築く。静香にはそれが気づいてるようね。」
神崎も頷き、残り時間に目をやる。
さぁーーどっちだ。



