「さすが田島さんやで!!やってくれますやん!!」
静香は涙で目を霞ませながら、タッチしあう。
「おし、次守って…突き放す!!」
拳を強く握り王者としての自信がみなぎった田島の貫禄の一言に、
「「はいっ!!」」
コートの4人は勝利を信じて声を響かせる。
「大丈夫!!大丈夫!!まだワンポゼッション差!!!次絶対決めるぞ!!」
明徳にとって田島のこの時間帯の3ポイントは確かに大きかった。
野村監督もサイドラインギリギリまで立ち上がり出てきて、大きな声で手を叩き、コートの五人を鼓舞する。
「ダメだ心臓に悪い…!!」
「神様どうか…!!」
取って取られての繰り返しで全く油断を許さない状態に手に汗を握る明徳ベンチの部員達はみんな涙をこらえ震えながら応援も祈りに変わっていた。
そんな声も祈りも、もちろんコートの未茉の耳にも届いていた。