やはり石井が入ったことで更に高さでも勝る大成相手に、リバウンド争いも許してしまうことが多くなり、大成のタイトなディフェンスに村越も封じこまれる。
だが三年と二年のバランスのいい交代枠を使い攻守の切り替えの早いタフなバスケを展開する明徳は、未茉の怒濤のゴールが続き、なんとか必死に食らいついていた。
「白石さん凄い…!!一人で37点取ってる…!!」
第3Qのインターバルでスコアブックをつけてた相沢は絶句する。
「大成もこんなに打たせるつもりはなかっただろうな。白石にボールが渡ればほぼどんな状況でもネットを確実に揺らすのだからな。」
キタローもどや顔をしながら選手達をうちわで扇ぎ、水を渡していく。
「さっきから代わる代わる大成の控えの選手が白石にファウルをして止めるけど、無意味だな。」
「もちろんだ。白石を止めれるとしたならば、田島だ。」
でも彼女はもう3ファウル。これ以上ファウルはできないはずだ。
勝機を祈る野村監督と、
「ここまで仕上げてきたか…」
(確かに明徳は夏とはまるで別のチームになった。あの時は短期間で白石中心のチームになろうと切磋琢磨していてミスが多かった。)
一方、大成の工藤監督は試合を見ながら一つ、大きなため息をついてしまっていた。
(私が大成女子を率いて十年…このチームは過去最強を誇る。それにはエース田島の存在は大きかった。彼女が大成に来てからというものの、東京ではまずこんなに手こずるチームに当たったことはなかった。
しかも三年の田島の最後の大舞台で。
初めて見た。いや、初めて見れた。
田島が嫌な顔をした相手を。)



