「白石ばかりの対策に気を引かれてきたであろう監督の予想を反する展開に村越の存在は大きく精神状態を今かきみだしているであろう。」

ふっふっふっ…と野村監督はあからさまに動揺している大成ベンチを見ては気持ちよさそうに笑っていた。
この状況を読んであえて桜蘭戦では村越を温存する選択を選んでいたのであった。

「さすがですね!!野村監督っ!!このまま華々しく全国デビューしちゃいましょうっ!!」
(そして僕も華々しく全国強豪監督←✕顧問としてデビューしちゃいましょうっ!!)
新米斎藤に持ち上げられて照れてる野村監督二人を険しい目で見ているキタロー。


「聞いてはいたけど、やっぱり上手いのね村越…」

練習中何度も驚いたが、その実力を本番でも遺憾無く発揮されると改めて関心する鈴木に、
「本当に。最初入部してきた時はビビりました正直…」
つられて前原も同意すると、

「うちのクラブリーグは高校生の部は東京選抜レベルじゃねぇと入れないくらいの難関入会テストがあんだよ。」
最初からある程度村越の実力は分かっていた未茉だった。

「そうなの?!」
「なんだぁ・・もっと早く登校してくれればよかったのに・・」
インターハイにも出てほしかったと鈴木は悔しさを隠しきれない。

「いっいいえ…未茉様がずっと私を誘って一緒に練習してくれてたからです…」
泣きながら村越は言うと、
「確かに白石不在の間でもそこが連携取っててくれてたからおかげでやりやすいよ。」
前原は珍しく誉めてくれた。


「お、石井が出るな…」

188cmの石井を温存させていたが、ここで東京ナンバーワンセンターを出すようで大成ベンチは用意してるのを見た。
「村越のマークマンを石井に代えるってことだな…。高さが揃ってる大成だ。きっと私が監督でもそうするだろうな。」

「さぁーって!!いっちょ、点取りに行きますかっ!!」
アシスト役に回ってた未茉がエンジン全快で腕を鳴らしながらコートへ入ってく。

「頼むぞ!!エース!!」
鈴木に背中を叩かれながら走ってく。

「「白石さぁあん頑張れぇ!!」」
一年の相沢達の応援にもガッツポーズで答える。