試合開始、三分前。
監督の話の後、少し緊張気味の鈴木が明徳部員を囲みながら、深呼吸し、ゆっくりと口を開いた。
「大成には三年間一度も勝てなかった。」
重い一言に、皆無言で頷いた。
「その悔しさを私達は最高の仲間と晴らす。全国への夢の切符と引き替えに。」
みんなで拳を突き上げながら、
「「はいっ!!!」」
今までで一番の大きな声を響かせた。
「…残念ながら大成は私が来てから全国に出場できなかったウィンターカップはないのよ。」
鈴木がコートに入ると、田島には強気で掲げた思いをぶち壊すように言った。
「そうね。その歴史はきっと今日変わるわ。」
一体どこからそんな余裕が生まれるのか、聞いてるこっちが鼻で笑ってしまうと、
「あんた、誰やねん。」
スターティングメンバーの両校が互いに礼を交わすと静香の前には、村越が立っていた。
「あっはははい…あのわたくしはそそそのっ村越ともうしまして…」
「んぁっ!!?なんやお前一年なんか!?」
「ははははっははい…!!」
あまりの迫力ある静香節に涙こぼしながら小さくなり怯えてると、
「自己紹介なんかいいんだよ!!お前は試合に集中しろよっ!いいか?こいつはデカイだけのバカでドリブル下手くそだからガンガン手元狙えよ!!」
見かねた未茉が怒ると、
「なっ・な・なんやてぇ?!」
「あと、フリースローも全然入んないからファウルがんがん誘ってオッケーだから!」
未茉は村越に耳打ちするも、声が大きいために漏れている・・・。



