翌々日、明徳女子はウィンターカップの東京代表のたったひとつの切符を手にする為、大成との決勝戦へと向かった。


「やっぱり決勝の相手は明徳か。」

会場入りした田島がため息をついた。


「明徳なんて去年までよくて区内ベスト4レベルで東京でなんか名前すら上がって来なかったのに。」
白石が来たからかーーと、一番の要因は分かってはいるがその名はあえて石井は口にしなかった。

「なんや先輩達えらい弱気やないですか。未茉に怯えることあらへんで!!大成が明徳ごときに負けるわけないんや!この愛の女神様の静香様がおるんやからな!!!」
わっははははっ!!と荷物を持ちながら会場入りしながら早速体育館にその騒々しい笑い声を響かせると、

「なんだ」「なんだ…」
と会場はざわめきだす。

「頼むからお前は試合が終わるまでだまっておけ!!うちの恥さらしすんな!!」
ごちんっ!と頭を叩かれる。
「なにすんですか!!うちを粗末にしたら試合がどうなるか分からへんで」
「愛の神様が君臨して国体負けたけどな。」
冷たく現実を厳しく言うと静香は黙りだす・・・。

「しかし、試合が終わったら明日ソッコーでまた韓国逆戻りで合宿して決勝トーナメントに向かうと思うと地獄ですね。」
やれやれと、石井はため息つくも、
「まぁ、同じ飛行機の中で白石はうちらの顔見るのも嫌だろうにね。」
フッと強気で田島は笑って見せた。

「だって全国へ行くのは、男女共に大成だからね。」

男子の決勝戦の大成対明徳も明日に控えていた。