「なにぃ!?王子学院が大成に負けたぁあ!!?」


帰りのバスを降りると、ネットの高校バスケ速報ニュースでの結果を村越は未茉に告げると目を見開き驚いた。

「はっはははい…男子は大成が決勝へ駒を進めたようです…」
この前の練習試合ではスター兄弟不在でも二勝をあげていた事実からすると信じられなかった。

「僅差だったようだ…」
一緒にいたキタローは未茉の表情を汲み取り、調べ始めると、
「どうやら健さんとあの外人留学生エースのブラウンが出てなかったようだ…」

「えぇ!?」
iPadを取り上げ記事を確認すると、

【Wエース不在、王子学院。去年の全国優勝MVP星河健復帰間に合わず…ブラウン病欠で出場ならず】

「なんだ…間に合わなかったのかよ…」
悔しそうに頭をかく未茉の横顔はやるせないものがあった。

「ブラウンがインフルエンザか…。それはだいぶきついな。」
大成と明徳にとってはラッキーなアクシデントに悲願の男子初のウィンターカップ出場を目指すと記事に書かれていた。

「男子も女子も決勝の相手は、揃いも揃って大成ね!!全国まであと一歩!!やるっきゃないわね!!」
鈴木の声に部員達は頷くと、みんなは強く頷き、解散した。