TIPOFF!! #LOVE WINTER





(うちはもう、インターハイの時の明徳女子とは違う。いくら全国レベルのエース一人がいてもダメだということ。コートにいる五人が勝利へとひとつになり、このチームで勝ちたいという気持ちを…)


転んだ未茉に鈴木と前原が手を差しのべるために駆け寄ろうとした時、

「…ナイス。」

その言葉と共に一番に未茉に手を差しのべたのは、矢野だった。


(ずっと、本当は…羨ましかった。
才能にじゃない。そのひた向きさに。)


「あ、はいっ!!!」
その手をしっかり掴み、嬉しそうに立ち上がった未茉は満面の笑顔を見せると、矢野の目はしっかりと微笑み返してくれてるように見えた。

そして鈴木と前原もそんな二人を見て嬉しそうに顔を見合わせて微笑んだ。

「そうだ。」
ベンチの野村監督もそう頷いた。
「バスケは一人じゃ勝てない。」

“明徳”で、全国へーー
そう夢見て、前原を始め二年達も未茉不在の中、ずっと練習以上の練習を重ねた。


このチームで勝ちたいという気持ちを一人一人が強く持つこと。


「「行けー!!!」」
一度は引退した三年女子まで受験よりも、このベンチで仲間を見守りこうして声をかけることを選んだ。

「人の心を動かすこと、仲間の心を掴むこと、エースとしての彼女の最大の武器に気づいた明徳女子はまだまだ止まらない進化を果たす。全国へ。」
涙ながらに野村監督は拳をあげた。

「よしっ!!行くよ!!」
そんな二人とコートのみんなに声をかける鈴木に、
「「はいっ!!!」」
ベンチも一丸になって応援し、
60対42
明徳は桜蘭に快勝し、王者大成女子が待つ決勝へと駒を進めた。