「チビダンク達と遊びにきた。」
にこっとチビダンク達を抱き上げながら、わざとらしく微笑む。

「かーえーれ。あたしはそれどこじゃねーんだよ。」
靴を投げ返して、あしらうも、

「追試は理科と数学なの?」
ふーんっと広げたワークを見ながら机に向かう未茉を後ろから覗きこむ。

「教えてくれんの!?」
もしや…という期待を込めて目を輝かせて振り返るも、
「だって教えたら赤点になっちゃうよ?バレたら停学かも。」
にこっと笑って交わされる。

「だったら………帰れよ!!!今すぐになっ!!!」
「あいたたたっ…お腹痛くて動けなくて、ちょっとベッドで休んでもいい?」
「ぁあ!?てめぇんちのベッドで寝やがれよ!!!」

「やだ。ここがいい。」

そう甘えるように後ろから未茉の体に手を回してぎゅっと抱きつく。

「!」

すぐ耳元には翔真の吐息がかかるくらいの距離に唇があって、いつも甘えてた腕の中でその匂いに包まれると、一ヶ月ぶりの慣れた温もりが確かに今ここにあることが夢みたいに思えた。