「…別に白石のせいで試合負けた訳じゃないんだからそんな一人で不幸背負うのやめてくれる?」
「あたしのせいだよ。勝負所で二回も外した。」
「…そうだっけ?」
「あたし以外みんな100%以上の力出しきってたよ。お前もな。」
(…静香も石井さんも田島さんもユリもみんなあんなに体張って頑張ってくれたのに、あたしが最後の最後で台無しにした。)
みんなに合わせる顔がなかった。
「エースって言われても、点取っても、チームを勝たせなきゃなんの意味もねぇんだよ…!!!」
“あなたは私の足元にも及ばない。”
「自分がこんなにバスケが下手だとは思わなかった。」
エマを前にして止めることも、抜くこともできなかった自分が悔しくて仕方ない。
「でも、田島さんも私もあんたに賭けたじゃない。」
「…」
「あのパスが勝負の分かれ道だとしても、私はあんたにパスしたこと後悔してないよ。」
「!」
「多分、田島さんもね。」
それだけ言い残し“じゃあね”とユリは去っていった。不器用ながらに励ましに来てくれたのは分かった。
それは嬉しかったが、インターハイに続いて国体も完敗してしまいどうしていいのか分からずにいた。
ただただ悔しさだけが込み上げてきて、気持ちの整理がつかなかった。