「なんかいつもの感じが戻ってきたね~!!」
「はははい…!!やはり未茉様がいると体育館が一気に華やぎますぅ…」
泣きながら未茉の帰りを心待ちにしていた村越が幸せを噛み締める。

「あんなこと言ってるけどね、前原は白石の日本代表の旗の千羽鶴折ろうってみんなに声かけて、作ったんだよ。ほら。」
こそっ、と鈴木が未茉の耳元でそう言って体育館の二階から垂れ下がるように飾られた旗の横にはグラデーションの千羽鶴が添えられていた。

「え…あれを!?あたしのためにマジで!?」
「うん。北君や一年はもちろん、二年三年も全員で作ったんだよ!ほら、北君のおふだまであっちこっちに貼られて・・・夜ちょっと怖かったけど・・・」

じぃーーん…と胸が熱くなり涙がポロポロと溢れ出す未茉に、
「何泣いてんのよ!!白石!!早く走…」いいかける前原に、
「大好き!!先輩!!!」
ぎゅうっと勢いよく飛び付く。
「くっ…くっつくな!!」
「うぇーん!!会いたかったぁ!!大好きぃみんなぁぁあああ!!」
 
言葉とは裏腹の温かい先輩達の優しさに嬉しくて当分泣き止みそうにない未茉に皆、顔を見合わせて微笑み、
「よしっ!!女子もウィンターカップ全国行くぞ!!!」
久々に体育館にはキャプテン鈴木の熱い号令が響いた。

「「はいっっ!!!」」