「あれ?鈴木さんバスパンなんて履いちゃってどうしたんですか?助っ人?」
気づくと、引退したはずの三年数人が一緒の練習に混じっていた。

「高校最後のウィンターカップ、キャプテンとして出ることにしたの!」

「ええっ!?マジで!?」
「敬語使って敬え!一年だろーが!!」
ばこっ!と久々に頭を叩かれると、
「まぁ、勉強ばかりしていたからほぼほぼ助っ人状態だと思うけど…、最後にやっぱりこのメンバーで高校バスケを終えたくて、前原にワガママを聞いてもらったの。」

「大歓迎ですよ。もちろん。」
前原と矢野は顔を見合わせて、鈴木に握手の手を差し出すと、
「ありがとう…!!」
涙ながらにその手を握り返した。

「あたしも大歓迎だぜ!!!」
がばっ!!とその輪に抱きつくも、

「はい、練習ー。」
感動の盛り上がりから一転、パンパン!と冷めた手を叩きながら、前原はコートに戻るように促す。

「ぬぁぁあんでぇ!!せっかく久しぶりに帰ってきたのに冷たいぃいっ!!!」
うぁぁああーん!!と泣き出す未茉に、
「「あははっ!!」」
と、一年女子達も笑いだし、
(ドンマイだ…白石!!)
ひっそりとキタローも胸を熱くしながらマネージャー業に励む。