愛知特有のトランジションの早いバスケを日本代表にも持ってきた原監督の戦術はまさに当たり、カタール相手に点を量産し、初戦はダブルスコアでチームに勢いをつけ白星発進となった。
「なんだ。授業サボってこんなとこで生放送で見てるの?」
そして日本では、二回戦のチャイニーズタイペイとの試合を明徳学園高校の屋上で翔真はiPadで見ていると、ドキッとその声に振り返る。
「鈴木さんと…前原さん!」
引退後の珍しいコンビがやってきて、驚く。
「日本代表の彼女の試合だものね。そりゃ喧嘩中でも授業なんて受けてる場合じゃないわよね?」
健気な翔真にクスクスと微笑む鈴木に、
「お二人は?」
「私達も白石の応援。ね?」
二人もiPad片手に罰が悪そうな前原に同意を求めるも…素直にうん。とは言えなそうだ。
「頑張ってるね。白石。」
試合が始まると、画面の未茉の姿だけを追うように見つめる鈴木は、
「私ももっと彼女と一緒にプレーしたかったな。」
ため息まじりで本気で羨ましそうに呟くと、前原は軽く何度か頷き、食い入るように未茉のプレーを見つめていた。
そしてーー翔真も。



