二日後、アジア大会女子のグループリーグの第一試合のカタール戦が韓国にて繰り広げられた。

『日の丸の下で国家斉唱のあと、いよいよスターティング5の入場です!!』
アウェーの真っ昼間の試合ということもあり、観客は少ないがBS放送やネット配信は日本向けにされていた。

(原監督、スターターは完全無敵の名古屋第一のメンバーで来ると思ったけど、エリーを下げて怪我明けの白石いれてきた…。しかもガードをやらせるとは。)
ベンチにアシスタントコーチとして入った神崎がその布陣を眺めてると、

(今年の名古屋は本来ならば、この布陣で挑むはずだった。なのに・・・)
“愛知ぃ?寮なんて嫌だよ”
とばっさり断られた過去を根にもちながら原はベンチで腕を組む。

(エマに白石なんて・・ウニにキャビアを乗っけて振舞うくらい豪華なコンビネーションだ。)

「…まさか、世界で試すはめになるとはね。」
それも悪くはない。とニヤリと世界の舞台で微笑んだ。