「うあああいっ!!!韓国だぁぁあいっ!!!」

地獄のような鬼練が待っていた東京監禁合宿から一変、未茉達アンダー18日本代表はアジア大会開催の韓国の地へと降り立つと、空港出てその空気を肺いっぱいに吸い込み両手を空へと伸ばす。

「あ~~最高やなぁ~~!!東京ではバスケバスケで一歩も外出られへんかったし!!」
未成年でマスコミ対策などもあり、この二週間ほぼ外には出れなかったので、ようやく韓国で羽が伸ばせると思いきや、

「さぁっ!!ホテルで荷物置いて練習だぞ!!!」
てきぱきと指示する神崎の言葉に、
「「えぇっ!!!?」」
一同は悲鳴に近い驚きの声をあげる。

「嫌だぁぁぁああ!!!絶っ対に嫌だぁぁぁああ!!!」
バンッ!!と荷物を地面に叩きつけて、未茉は断固拒否をする。
「そや!!神崎さんうちだってそれは嫌やで!!四六時中血ぃ吐くかくらいな過酷な練習してきたんやで!?韓国初日くらい自由にさせてや!!!」
問題児二人が声を大にして訴える。

「あんな監禁合宿で昼間はバスケして夜はあたしだけ国語(敬語)の勉強してなんで韓国に来てまで外出られねぇんだよ!!絶対嫌だぁぁぁああ!!!」
うぁぁあああーんっ!!と人目も憚らず泣き出す未茉にエマは見向きもせず、

「バスはこれ?」
飛行機移動で疲れたのか気だるそうにさっさと迎えのバスに乗り込むと、愛知組の伊藤と水越達もあとに続くように乗り込む。

「クールだなぁ…」
「寮生活で監禁は慣れてるんでしょうね。」

それを見た田島や石井二人もさすがの息抜きのないバスケ地獄に心労を隠せないでいる。